”ミトラスフィア”は、がっつりRPGの世界を堪能できるくらい仕上がりが素晴らしいです。
今回は、その”ミトラスフィア”について書かせていただきます。
▲豊かな色彩が溢れる『ミトラスフィア』の世界。古き良きRPGをふと思い出すような瞬間も多々用意されている
「Re:アクションなりきりRPG」とは
本作の「Re:アクションなりきりRPG」というコンセプトが何を意味しているのか、遊ぶまではよくわかりませんでした。淡い色彩の美しいファンタジーの世界に飛び込み、キャラクタークリエイトを終えるころには、かつて遊んだ懐かしいRPGの匂いが広がった場所に降り立ったことを実感しました。2D風のグラフィックって、なんでこんなにおっさんに刺さるんでしょう。
アクション-
ミトラスフィアの魅力1: 2Dグラフィック
■キャラクタークリエイトで「なりきり」を楽しもう
主人公となるキャラクターの外見をカスタマイズできるのも、本作の魅力のひとつ。髪型や髪の色はもちろん、眉毛や化粧なども変更可能です。声優さんによるボイスも変更可能なので、自分だけの思い入れをのせたオリジナルキャラクターを作ることができます。『ミトラスフィア』は、古き良きダンジョンRPGや、オンラインゲームのように、自分の分身ともいえるゲーム内キャラクターを作りこめる作品なのです。
▲キャラクターの性別を決め、外見を決めていくのが本作のキャラクタークリエイトの流れ。パーツを選ぶだけで簡単にオリジナルキャラクターを作れるが、そのバリエーションは多彩。装備によって見た目が変化するのも嬉しいところだ
■懐かしさを感じたい人も新しさに触れたい人も
本作が、懐かしさを武器にした私のようなおっさんをターゲットにした作品かというと、そうではありません。筆者のような30代のゲームプレイヤーには、本作の持つ「懐かしさ」に共鳴する人も多いでしょう。しかし、そこで立ち止まらずにもう少し遊んでみると、本作の持つ骨太な部分や新しさを感じる部分が見えてくるはず。コアなRPGファンのためだけのものではなく、新しいRPGを遊びたいという人にもしっかりと刺さる配慮が、全体に渡ってされている印象を受けました。ユーザーインターフェイスなどもわかりやすく設定されているのも良いですね。
どこかレトロな雰囲気を残しつつも、派手な今風のエフェクトを魅せてくれるバトルや、他のプレイヤーとのつながりを感じられる戦略性の高いマルチプレイシステムは、「本格RPG」と呼ぶにふさわしいクオリティです。
ミトラスフィアの魅力2: やり込みを包み込むマルチプレイ
多くのスマホゲームが売りにしているものとして、「空いた時間に気軽に遊べる」というカジュアルさがあります。しかし、ゲーム慣れしているプレイヤーからすると、あまりカジュアル過ぎてもいけません。自分のような、コンシューマーのRPGが大好きな人間からすれば、ガチャに面白さが集約されているゲームはすぐに飽きてしまいます。
本作では、ガチャ以外の面白さもバランス良く散りばめられているように感じました。報酬のほどよいデイリーミッションや、コツコツと素材を集めて進めるキャラクター強化があるため、奥深い「育成」が楽しめそうです。そして、本作にはソーシャルゲームにありがちな行動制限、スタミナ的なものがないため、その気になれば長時間遊べるのも嬉しいところです。
▲マルチプレイでは、チャットによるコミュケーションを取ることも可能。クローズドβの範囲では、ガチガチの戦略を求められるバトルはなかったものの、ゆるい役割分担を楽しむことが可能だった
クローズドβの短い期間の感想になりますが、オンラインゲーム的な遊び心地が非常に心地よい作品でした。マッチングまでの時間なども短く、バトルにも適度な歯ごたえがあるため、スマートフォンの共闘要素を入れた作品にありがちな「物足りない感」に包まれることもありませんでした。
最近のスマホRPGには共闘要素が取り入れらており、「マッチングを待つ時間よりも、戦っている時間のほうが極端に短い」なんていうゲームが多かったように思います。本作は程よい塩梅の長さで、バトルを楽しめました。こう書くと、カジュアルに遊びたいという方は身構えてしまうかもしれませんが、マルチではオート機能も使用可能なため、クエストやプレイスタイルによって使い分けるといった柔軟な遊び方もできそうです。