本作は三国志の物語・世界観・キャラクターを取り入れたスマートフォン向けコマンドタイプRPGゲームで、エイリムから配信中の大人気ＲＰＧ『ブレイブフロンティア』のシステムをベースに作られている。
開発はgumiと、その子会社である台湾谷米數位科技有限公司。台湾では『LINE 猛擊三國』という名称で配信。
台湾でも日本でも人気の高い三国志という一大コンテンツをベースにし、台湾と日本の開発チームとイラストレーターたちが力を合わせ、魅力豊かなゲームに作り上げている。
ストーリー
舞台は中国後漢末期、漢王朝が力を失い、各地で争いが巻き起こっていたという、あの有名な三国志の時代である。
プレイヤーはこの戦乱の地に、架空の君主として降り立ち、関羽や呂布といった日本人でもお馴染みの英傑武将たちを率いて、天下統一を目指す。
基本的には三国志の史実や演義のエピソードをなぞりつつ、現代的なオリジナル要素満載のシナリオを進んでいく。
絆システムという、関係性の深いキャラクター同士を編成すると特殊な効果が現われるなどもあり、三国志好きや歴史好きにはたまらない作りになっている。
ゲームシステム
基本的なシステムはベースとなった『ブレイブフロンティア』そのままで、ほとんど同じゲームである。
見た目がただ中華風になっただけ、といえるかもしれないが、優秀なシステムを再利用して新しいゲームを構築するのは悪いことではなく、実に有効的な手段といえるだろう。
ゲームを開始すると、まずは仲間となるキャラクターを一人選択する。どれも魅力的で迷ってしまうところであるが、ゲームを進めていけばすぐにもっと多くの仲間が集まっていくので、ここで悩む必要はない。まずはフィーリングで決めてしまおう。
プレイヤーキャラクターと武将たちを最大５人まで編成して戦闘に当たるが、初回の戦闘はチュートリアル形式で、援軍が来て自動的にパーティーを編成してくれるので、編成や陣形については後々おぼえていけばいい。
まずは指示に従って動かしていこう。
戦闘方式は前述したように『ブレイブフロンティア』そのままで、タップをするだけで攻撃をしてくれるという、片手だけで全てができてしまうシンプルなシステムだ。
強力な必殺技の発動もフリックするだけで発動するし、それでも操作が難しかったり苦手だと感じるならば、オートボタンを押すだけで、あとは全て自動的に戦闘を行ってくれるので安心。
戦闘はターン制で行われ、全ての敵を倒すとステージクリアとなる。あとはドロップしたアイテムなどを確認し、次のステージに挑むための準備をすることになる。
キャラクターは皆、劉備や曹操など、よく知った三国志の登場人物たちで、その数は膨大である。自分の好きな武将を求めたり、揃えたりすることを目的として遊ぶと、このゲームは俄然楽しくなる。
パーティー編成には絆システムと呼ばれるものがあり、兄弟家族などの血の繋がりや、歴史や物語上での因縁がある者同士を編成すると、特殊なスキルが発動するようになっている。
キャラクターの属性などを考えつつ、自分の好みで自由に編成することができるので、遊び方には広がりがある。
戦闘報酬やクエスト報酬以外では、スマートフォン向けゲームお馴染のガチャで武将を収集することもできる。こちらは様々なイベントが企画されたり、新キャラクターが追加されたりするので、キャラ収集が好きな人にはたまらないものがあるだろう。
ちなみに歴史や演義以外でも、例えば女体化した武将などのキャラクターも存在するので、男女問わずはまっていける要素がある。
シナリオモードの他には、対戦モードである闘舞場や、１５人パーティーによるダンジョンモードのような試練の塔、軍団で城を攻め落とす攻城戦など、様々に用意されている。
シナリオを進めていけば、編成だけでなく陣形を敷いたり、装備を製作したりとやれることが増えてくる。
施設の強化をしていけば、素材を集めたり、戦力を強化したりもできるようになる。
グラフィックやBGMなど
台湾と日本のイラストレーターたちが力を競うように描いたキャラクターデザインの数々はどれも美麗で、キャラクター性を引き立てる可愛さやカッコよさで溢れている。
それら魅力的なデザインのキャラクターは、戦闘画面ではハイクオリティのドット絵で表現されていて、これがまた細かいところまでぬるぬるとよく動く。通常攻撃からスキル演出に必殺技まで、個々それぞれに固有の動きがあり、見ていて実に楽しい。
また武将には有名声優の花江夏樹や伊瀬茉莉也などのボイスがついていて、ますますキャラクター性が豊かになっている。
こうしたキャラゲー的要素が強いので、武将集めがとにかく楽しい作品だ。
総合評価
操作がとても簡単で、戦闘もオートで片付いてしまうこともあり、ＲＰＧゲームというよりは、好みの武将を集めて回るキャラクターゲームという印象の方が強い作品であった。よって、ゲーム性を強く求めるユーザーには物足りないと感じるものがあり、すぐに飽きがきてしまうだろう。
しかしキャラクターを集めることが目的であったり、とにかく空き時間なりに気軽にゲームを楽しみたいというライトユーザーには最適なゲームで、そういった人にこそ武将集めや施設拡張などの要素は長く楽しめる要素となっている。
一定のレベルまではそれほど時間もかからず楽に上がるので、まずはそこまで試して、合う合わないを決めてもいいと思えるほど、クオリティは高い。